空室が目立つマンションを地域に愛される人気物件へ。久留米市国分町「セルフリノベーションコクブ」の2つのしかけ
1年以上、新規の入居者が決まらない。
久留米市国分町の「サンコーポコクブ」と「サンコーポシライシ」は、オーナーの頭を悩ませる80年代生まれのマンションでした。どちらも幹線道路のすぐそばに立地し、西鉄久留米駅からは自転車で10分ほど、最寄りのバス停までは徒歩5分足らずの恵まれた環境。
しかしながら建物の老朽化から、なかなか入居者が決まりませんでした。
計14戸の空き部屋を埋めるため、「セルフリノベーションコクブ」と題して始まったのは、自分で部屋をつくれる楽しさと、まちにひらいたにぎやかさのある物件づくり。 入居者以外の人も集まり、今や国分町の魅力のひとつともなっている「セルフリノベーションコクブ」の2つのしかけを紹介します。
DIY大歓迎!型破りなセルフリノベーションのしくみ
セルフリノベーションコクブに施した1つめのしかけは、「あなたが好きに部屋をつくっていいですよ!」という、DIY好きにはたまらない自由さです。
コンセプトは”ひたすら自由な賃貸住宅”。間取りはもちろん壁も天井も、床も自由に形を変えてOK。たとえば壁に棚を打ち付けたり、床にタイルを敷き詰めたりと、住む人の手で好みの部屋を完成させることができます。
物件情報サイトではDIYのリノベーションが可能な物件特集が行われるなど、ライフスタイルの多様化と同時に賃貸住宅のあり方にも自由さが求められている今。 入居者によるDIYのリノベーション可能な物件は数こそ増えているものの、ここまで自由な物件はなかなかありません。
セルフリノベーションコクブでは、リノベーション後の現状回復ももちろん不要です。
アナバプロジェクトでは、空室14戸のうち壁紙のはがれがひどかったり、床が腐っていたりした7部屋にリノベーションを行いました。3LDKを1LDKへ、もしくは3DKをワンルームへと大胆に変更し、それぞれの部屋を大きく生まれ変わらせました。
人とつながるしくみをつくればマンションに愛着がわいてくる
2つめのしかけは、入居者、そして地域の人にもマンションに愛着を持ってもらうためのしかけです。
実際に壁を塗装してみるDIYワークショップや、階段に施したウォールアートのワークショップ。そして月に一度オーナー主体で開催されるイベントは、入居者だけではなく地域の方も参加されるオープンな場です。
部屋に住むまでのお手伝いはできても、そこからお隣さんや同じマンションの方とコミュニケーションをとることに関しては、入居者任せとなることが一般的。
「マンション入居者のつながりが希薄になることは避けたい」「ここに愛着を持ってほしい」と、セルフリノベーションコクブではオーナーが”コミュニティ管理人”となって、入居後のつながりをつくるお手伝いを行っています。
マンションという「住まいの場」にも「人とつながる場」という新しい価値を与えることで、入居者に限らず地域の人も、この場所に愛着を持っていくのかもしれません。
そんなアナバマンションが増えたら、まちはもっと楽しくなるのだろうなあ。
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オーナー白石さんのインタビューが、WEBマガジン「アナバナ」に掲載されています。
こちらも合わせて読まれてみてくださいね。
https://anaba-na.com/11178.html
[物件情報]
「セルフリノベーションコクブ」
住所 サンコーポ コクブ :久留米市国分町1952-2
サンコーポ シライシ:久留米市国分町1622-1
ホームページ:http://www.anaba-project.com/sr-kokubu/
Facebook:https://www.facebook.com/self.renovation.kokubu/
Facebookページにて、随時イベント情報をお知らせしています。
(編集部 天野)